2015年夏にリリースしたデビュー作『EP』(3曲+remix1曲収録)がインディーズリスナーからクラブユーザーまでも虜にし瞬く間に話題となり、次世代のシーンの中核を担う存在として大きな期待を背負った彼等が、満を持して1stアルバムを発表します。1st EPから「Ghana」がリアレンジ・ヴァージョンとして収録。そして9月にデジタル・シングルとして発表した名曲「Pool」。また既にライブでも披露し人気の「Time Machine」「Native Dancer」など含む全8曲を収録。今作ではサポートメンバーであるUtena Kobayashiが全曲での参加となり、これまで以上に彩りを加え更なる進化を遂げています。ワールドスタンダードであり、2016年のマスターピースとなり得る決定的名盤が遂に解禁です!
インディR&Bのメロウネスとクラウトロックのミニマリズムが、深夜の東京の郊外、その街路でダビーに、ニヤリと秘密の契約を結んだ ──桜木大悟 (Gt,Vo,Syn) によるメロウな ファルセット・ヴォーカルと叙情的なリリック、市川仁也(Ba)と川上輝(Dr)によるリズム隊のスロウ・ファンクとダウンテンポ / トリップホップを行き来する、腰の座った強靭なリズム。そして音響のただずまいは、ロックのクリシェから逃れるようにダブ / ポストロックの余韻にのり、クールに、夜の陰影を空気に描く。
ディープ・リスナーとして のハイセンスすぎるインテリジェンスがキラリと光るそのオリジナリティ、若干23歳の3人組の音楽との出会いは、自分にとって衝撃的ですらあった。The XXミーツRhyeとでもここは言ってしまおう、それほどまでに彼らはすべてキマっている。エンジニア、葛西敏彦(トクマルシューゴ、蓮沼執太、森は生きているなどをてがける)による“間”と“余韻”を生かしたサウンド・メイキングによる、カン後期の『フロウ・ モーション』を彷彿とさせるサイケデリックなクラウトロック「Ghana」収録の4曲入り「EP」で昨夏デビューを飾った。
その後、じわりじわりと話題を集め、終わり行く夏に浮遊する、配信限定のバラリック・チルアウト・アンセム「Pool」でさらにシーンの度肝を抜いた。「Pool」では、ライヴやレコーディング、バンドにとってどちらにしてももはやいなくてはならないアーティスト、“第4のメンバー”(いや葛西を入れれば第5とも言えるだろう)と言ってもいい、小林うてなのスティール・パンがキラリと光る。こうした布陣はアルバムへと続いていく。
たった4曲のオリジナル・リリース(「EP」には自主制作で過去に発表された過去曲のすばらしいディープ・ハウス・リミックスを収録)で、2015年を終えたのだが。〈WWW〉でのリリパをはじめ、そのライヴにはインディ・キッズたちが会場に押し寄せたのはもちろんのこと、ゆらゆら帝国やOGRE YOU ASSHOLEのプロデュースを務めてきた石原洋が自身のブログで、VIDEOTAPEMUSICとともに「この2組の若い才能が今年のすべてだったような気がする」(ブログより http://reststayrelationship.com/blog/)と公言するほど、そのサウンドはさまざまな音楽を聴きこんだ先達たちにまで広がっている。
そしてファースト・アルバムである。上述の既出2曲とともに、重厚なグルーヴを奏でる 「Zidane」、「Native Dancer」、サイケデリックに地上5cmをゆるやかに低空飛行する 「Curtain」、そして「Navy」、「Time Machine」といったインディR&B~バラリック・チル&メロウな楽曲は2016年の夏が楽しみになる。まさに、待望のファーストという言葉がよく似合う、そんなアルバムだ。 – text by 河村祐介
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