interview :
Swimming Tapes インタビュー

ロンドンの爽やかでドリーミーな5人組ギターポップ・バンド Swimming Tapes (スイミング・テープス) が待望のデビューアルバム『Morningside』を今年5月にリリース、日本盤は Tugboat Records からリリースされている。バンドはこれまで2枚のEP『Souvenirs』、『Soft Sea Blue』を発表し、早耳なコアなリスナーを獲得している。

待望の1stフルアルバム・リリースですが、どんな気分ですか?

Lou : すごくわくわくしているし、誇りに思っているよ。たくさんの人の多大な協力のおかげでリリースができ、ファンに聴かせられるということが嬉しい。ありがたいことにみんながこれまで気に入ってくれていたようだ。

バンドを結成について教えて下さい

Lou : 僕自身は、Robbie と Paddy と一緒に北アイルランドのバンガーで育った友人同士で、様々なステージで皆一緒にバンドとして演奏してきた。Robbie と Paddy は大学に入って別のバンドで演奏しながら Jason に出会った。数年後僕らはロンドンで会って、何のプロジェクトにも参加していないことが分かったので、Swimming Tapes を始めることにした。数ヶ月後僕のベッドルームでジャムをして、Gumtree にドラマーの募集をかけたところ Andrew が見つかり、何回かセッションをしたところ彼の信じられないほど繊細なスティックの扱いに僕らは感銘を受けたので彼が入ることになったんだ。

このアルバムを作っている中で最もエキサイティングだったことは何ですか?

Robbie : ボーカルを最後に録ったのだけど、ほぼ最終形になった曲というのを初めて聴いたのを覚えているよ。スタジオでビールを飲みながら録音を最初から最後まで聴いた。それはミックスされていないものだったけれども、それがどう仕上がるかのイメージがついたし、その瞬間は素晴らしいものだったよ。

このアルバムを作っている間、インスパイアされたものを教えて下さい

Robbie : The Beach Boys の Bittersweet memories and the harmonies。

ポップでキャッチーな楽曲が印象的ですが、何か意識していることはありますか?

Robbie : 僕らがポップで良い曲を書いていると思ってくれているのが嬉しいよ。バンドを始めたとき以前他のバンドで演奏してきたように鍵盤を使うよりもむしろただギターに徹したいという思いがあった。コードや構成はかなりシンプルだ。楽器を演奏してしばらくすると細かい部分が良い感じで出来上がってくる。3本のギターでシンプルであることに忠実でいることは時々難しいので、複雑になり過ぎないようにすることと、息がつけるように音楽の中に余白を持たせることを意識している。初期のビートルズやビーチボーイズには本当に感化されたし、曲を簡潔にするという点で教訓を得たよ。トライすることと、同じことを続けることは楽しい。 アルバムの中では「Say it isn’t so」のようなよりスローでプログレッシブな曲を作ることが出来た。

音楽制作について教えて下さい

Paddy : 普段は Lou のベッドルームで周りに座って、ドラムマシンのビートに集中する。誰かしらはリフやコード進行を考えていて、近所の人の迷惑にならないようにただ静かにジャムをする。実際に演奏してみると、少しは展開があるものの、多くの落ち着いた感じの音はそのままになるんだ。ヘヴィにならないように演奏するのはうるさくなってしまうからだ。ほとんどのアイディアは電話に録音されて長い間別の名前でフォルダーに登録されている。「Set The Fire」は長い間113と呼ばれていた。それが録音電話の番号だったので。

日本盤もリリースされました、来日予定はありますか?また過去に日本を訪れたことはありますか?

Andrew : 多分僕らの中の誰も日本を訪れたことはないんじゃないかな。是非日本に行ってショウをしたいと思うよ。本当に夢だけどね。今のところ具体的なプランはないんだーー他の場所と同じくらい、ウィッシュリストの頂点に近い位置には入っている。バンドにいることの最も難しいことの一つだーー世界の裏側で聴いてくれている人がいても、その場所に行くことがいまだ出来ていない。日本は世界のなかでもUKのバンドにとっては旅行するには非常に高額な地域だ。だから、できればたくさんの日本の人に僕らのレコードを買ってもらいたい。そうすれば来日を実現できるだろう。それか Paypal で現金を送ってほしい。それでも良い。それが “日本に僕らを連れてって基金” ということになるだろう。

アジアのバンドで好きなバンドはいますか?

Andrew : 2年前、大阪の Wallflower というバンドの「Butterfly Kisses」という曲に完全にハマっていたのを覚えているよ。bandcamp で見つけたんだけど、この曲が始まって数秒でこれは完璧な曲だと分かった。ギターのパートは本当に素晴らしいーーポップで甘い多幸感があり、本物の80年代のジャングルの様相を持ち合わせている。僕らのソングライティングや影響を受けた音楽と明確に類似性があり、確かに、ビデオの作り方も同様だーーファウンド・フッテージや歴史的な映像を使って音楽と一緒に新しいアイディアを試したり塗り替えたりする、といったように。2018年にアルバムを出したみたいだけど、彼らがまだバンドを続けているのか分からない。アルバムはUKでは買えないので、日本にいる人でもし詳細を僕に教えてくれる人がいたら、連絡してくれ。

アジアでプレイする機会があるとしたら、どこに行きたいですか?

Andrew : 東京、大阪、京都が僕の行ってみたい3つの都市だ。昨年僕のガールフレンドがちょうど京都で就職したので、彼女の仕事が別の方向に展開することになっていたら今僕らは京都に住んでいただろうね。それによって僕らはよりバンド練習を真面目にやるようになったけど、少なくとも Swimming Tapes はもうある意味日本に行ったと言えるかもしれない。京都でのその可能性のある仕事ができた時に京都という都市をもっと知ろうと思い、調べ始めた。もし日本でプレイすることになったら、出来る限りたくさんのことにトライしたいし、見てみたい。神戸にも行って神戸牛を味わってみたい。

最近のインディロックシーンをどのように見ていますか?

Jason : 全く正直に言うと、最近はそういったシーンを追ってないんだーー過去数年間、音楽のことになると非常にノスタルジックになっていて、僕に重大に影響を与えてくれる過去の至宝を発掘している。僕が見る限り、女性メインの本当のオルタナティブロック時代があって、それが今のところ素晴らしいと思う。例えば Snail Mail や Phoebe Bridgers、Soccer Mommy が大好きだ。

次のプランについて教えて下さい

Jason : 僕らは新曲を作ってそれを世界に聴いてもらいたくてたまらない。アルバムが出たら、その本を閉じて新しいことを始める時間だ。それ以外にも、UKでいくつかのフェスティバルに出演することや冬にツアーをすることが決まっているよ。