過渡期を迎える Coachella 2024

2024.04.22

今年の Coachella 2024 のライブ配信どうだったでしょうか?個人的には、YOASOBI、ATARASHII GAKKO! など日本勢アクトに詰め掛けた、日本のカルチャー (J-POP、アニメ、Kawaii など) を楽しんでいる様子の多種多様な観客たち (世界のオタク) の笑顔が印象に残りました。また、Elkland 時代からファンの The Drums がトリを務め、あれだけの観客を動員しているのはとても印象的でしたね。

配信で見る限りは、いつものコーチェラなのかな?と思って見ていたのですが、実際に Coachella 2024 は全体的にどうだったのか?というと、The Ringer の記事「2024 Was the Worst Coachella Ever. What Went Wrong? (コーチェラは死んでいないが、幽霊が出るかもしれない)」で、その詳細が語られています。

この記事では、アメリカの最も著名な音楽フェスティバル、コーチェラの現状と問題点について触れられています。過去には数時間でチケットが売り切れたこともあったコーチェラですが、ここ2年は苦戦しており、4月時点でのチケットの売れ行きは80%の販売率にとどまり、その原因として次の問題があげられています。

・ラインナップの魅力の欠如
・インフレによる可処分所得の減少
・フェスティバルの飽和状態 (多すぎる)
・世代交代
・ポストパンデミック後のコンサート市場の影響

などが挙げられています。また、フェスティバルの内容も変わり、TikTok のバイラリティーやストリーミングプレイリスト、インフルエンサーに依存するようになり、コーチェラ独自の個性が失われつつあると。

また、AIやデジタル化の進展がフェスティバル体験にも影響を及ぼしており、ライブパフォーマンスよりもデジタルコンテンツが前面に出る傾向にあります。これが伝統的なライブ体験の価値を損ねる可能性があることについても触れています。正に Grimes はその典型であり、最前線なのかもしれません。

一番の大きなトレンドとしては、やはりコロナ以降の世界的なインフレが大きな痛手となっていると思います。欧米では強力なインフレから生活がままならない家賃などもかなり上がってしまい、若い世代は家賃が払えなくなり実家に帰るかホームレスになるか?という選択を強いられ、その悲痛の声がSNSを通じて拡散されています。

日本も他人ごとではなく、草コインと化した円 (円安) を背景に安く買い叩かれていると思いますが、世界的にインフレをヘッジできてる人とそうでない人では、かなり見える景気が異なり、格差も一層広がってきていることが浮き彫りになっています。こういったフェスなどの娯楽もある程度収入がないと遊びに行けないのが現実になっています。

今、世界中の人に言えることがあるとすれば、「インフレをヘッジせよ!」その一言に尽きるかもしれません。

そして、これらはまだ過渡期で、世界情勢を見ているともっとダウンサイドがあるのではないかと暗くなってしまいますが、そこにAIのような技術革新がどのように作用してくるのか?また、世代交代はどのように進むのか?引き続き観察を続けたいと思います。

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