Nam Jazz Experiment (南無ジャズ・エクスぺリメント) 新章はじまる!
Nam Jazz Experiment (南無ジャズ・エクスぺリメント) 新章はじまる!クールでスリリングなフリージャズ「Shudara-咒陀羅-」から約2年半、めでたく完成した新曲「Flow」は、メロディアスなフレーズと<ほとけ>の教えが説かれたお経が絶妙の距離感でドライブする新しい聴き心地のジャズ。<お経>と<ジャズ>を革新的に融合させた「Flow」のミュージックビデオが完成しました。
何の気なしにアップした、お経をジャズのビートにのせて奏でた30秒のライブ動画がSNSで大反響!言葉や国境を超え、テレビ番組にもとりあげられた、お経ジャズこと、Nam Jazz Experiment (南無ジャズ・エクスペリメント)。お経は、妙法蓮華経方便品第二。(お釈迦様が気づかれた真理の法則ー悟りを開いたものにしか理解できないと今まで明かさなかった、この世の有り様と物事の移り変わりについての真理を解き明かしたお経) トランペット・サックス・ピアノ・ベース・ドラム編成のクインテットを基調とした王道のサウンドに、新たに導入されたシンセサイザーの音色が変幻自在に浮遊し、ハイブリッドで自由度の高い作品となりました。
セルフライナーノーツ by 副田整歩
Nam Jazz Experimenの第1作目である「Shudara-咒陀羅-」「Shusan-咒讃-」は、無加工のお経をそのままの状態に音楽を寄り添わせましたが、今回の「Flow」は音楽にお経を合わせる方法で制作しました。
お経はラップのようにテンポを感じる要素はありますが、早くなったり遅くなったり伸び縮みするのが一般的です。ポピュラーミュージックの場合は(完全では無いにしても)一定のテンポが求められるので、その点でお経と音楽を合わせるのに苦労しました。お経は、途中で切ると意味が通じなくなるため、最初から最後まで唱え切る必要があります。重要な文言を曲のブレイク部分に当てはめるのは運を天に任せるレベルの難しさでしたが、何度も試行錯誤を繰り返しなんとか綺麗にハメ込むことができました。
今作は、ジャズでは王道と言われるトランペット・サックス・ピアノ・ベース・ドラム編成のクインテットを基調としていますが、変拍子、転調などのトリッキーな要素を入れ、サウンド面ではシンセサイザーやアンビエント等のプログラミングを多用し、音楽史でいう新旧が入り混じったハイブリッドなサウンドになっています。音楽とお経のテンポが完全にシンクロしているので、今まで聴いたことの無い異様なまでのドライブ感を演出することに成功しました。そして、お経だけでなく、ジャズの醍醐味であるアドリブ(個人技)やインタープレイ(音の会話)を存分に楽しんでいただけるはず。ご堪能ください。