5月3日に初のソロアルバム『なまみ』をリリースする MASS OF THE FERMENTING DREGS の宮本菜津子、ソロ作から既に先行7インチでリリースされていた「スローモーションリプレイ」のMVを公開!
MASS OF THE FERMENTING DREGSのBa,Vo宮本菜津子のソロ作品がリリースされる。2012年、MASS OF THE FERMENTING DREGSの活動停止後、時にデュオ編成や5人編成などの形態を経ながら積極的にライブ活動を行い、最終的にギターと歌の弾き語りスタイルというシンプルかつミニマムな表現へと到達したのは「歌」に向き合ったからに他ならない。
グルーヴや爆発力、ダイナミズムを最大限の武器に熱い支持を得てきたバンド時代から、虚飾のないアコースティックギターの弾き語りへと、形は変わりながらも「いい歌」を歌うことへと深いこだわりを見せた本作は録音自体は2015年夏から行われ、楽曲の一部はYoutubeやライブを通じて発表されてはいたものの、MASS OF THE FERMENTING DREGSとしての活動再開、新作リリースに引き続いたこのタイミングで作品として世に出されることになった。ここからも、彼女の歌への意識や、ミュージシャンシップの在り方がソロ〜バンドと連綿と続いていることが窺える。バンドと同じく大阪のFLAKE RECORDSからのリリースという形も、リスタートへの爽やかな決意めいたものが感じられる。
どこか懐かしさを感じさせるメロディ運びや言葉選び、優しく爪弾かれるギターにリラックスした感触が存分に感じ取れる楽曲から一転、hideやThe Smashing Pumpkins(宮本はスマパン来日時、ラジオの企画でバックステージに潜入した経歴を持っている)を一貫してフェイバリットに挙げ続ける彼女ならではのオルタナ〜グランジなコード感やパーカッシヴなギターストロークが味わえる楽曲、遊び心満点なNUMBER GIRL「delayed brain」のカバー、自身のバンド曲のセルフカバーに至るまでバラエティに富んだ楽曲が収録され、充実したアルバムに仕上がっている。本来はベースプレイヤーであるということを忘れてしまいそうになるほど多彩な表情を見せるギタープレイ、力強くもどこか人懐っこい節回しを見せるボーカルはまさしく宮本節と言えるだろう。
Julien Baker、Julie Byrne など隆盛を極める現行の女性SSWに、Waxahatchee、Frankie Cosmos などの現行インディーポップ的質感も併せ持ち、その中に確たる宮本菜津子節が一本通った力強い作品だ。MASS OF THE FERMENTING DREGS としての活動と連なりながらも豊かな振り幅を見せる表現、間違いなく必聴だ。 ー テキストby 山口将司(BED)
Artist / 宮本菜津子
Title / なまみ
発売日2017年5月3日
CD(FLAKES-164) /¥2000(税抜) /¥2160(税込)
Label / FLAKE SOUNDS
JAN 4571207711649
tracklist:
1.人ごみ
2.EIM -everyday is monday-
3.笑う人
4.うたを歌えば
5.delayed brain ※NUMBER GIRL cover
6.静寂と壁と闇 ※Qomolangma Tomato cover
7.スローモーションリプレイ
8.Re:たんたんたん
9.decision
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