「超厳格なテクノである… 瞬時に、確固たる、それでいて滑らかなストライドを見せ、霞がかった雲海や低酸素の頂上へと向かう陶酔的な高揚感を抑止することはない。これは正統なダンスフロア・ミュージックだ」
― Pitchfork(Best New Track ‘Unfurla’)
エイフェックス・ツインやオウテカの血を引く、UKテクノの後継者として登場した00年代の〈WARP〉の象徴にして、レーベル随一の多作家でもあるクラークが、自身の名を冠した最新アルバム『Clark』から、Pitchfork【Best New Track】も獲得した「Unfurla」に続く新曲「The Grit In The Pearl」を公開した。
ファンからの熱い要望に応えて2012年に日本盤化されたデビュー作『Clarence Park』(2001年)に始まり、今もコアファンの間で根強い人気を誇る『Body Riddle』(2006年)、クラークの狂気の“陰”と“陽”とも言うべき『Turning Dragon』(2008)と『Iradelphic』(2012)といった名作たちを世に残し、本年度の『Superscope』EPと「Phosphor」と名付けられた強烈なヴィジュアルを取り入れたライヴ・ショウによって、ますます進化を遂げた、彼のストーリーのクライマックスとなる本作、その名も『Clark』。優れたメロディと、繊細かつ気まぐれに変化するムードとが詰まった印象的な楽曲群。誰も真似出来ない独創的サウンドを創作し、ジャンルという枠をエレクトリック・ミュージックで壊していくという〈Warp〉の理想を体現し、どんなスタイルの楽曲でも一聴してクラークとわかる狂気を纏った彼だからこそ辿り着いた、文字通り渾身の一枚である。また来週スタートするUSツアーでは、LAでマッシヴ・アタックとも共演するなど、更なるスケール・アップを果たしている。
Beat Records / Warp Records (2014-11-02)
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