Michele Ducci (ヴォーカル、インストルメント) 22歳と Alessandro Degli Angioli (インストルメント) 25歳の2人組による M+A はイタリアのフォルリ出身。M+A のサウンドは、北西に位置するフレンチサウンドと似ていると言ってもいいかもしれない。冷たく、サンプルとビートの切り貼りのためのパイプとしてではなく、彼らは感情的な表現の媒介としてダンス・ミュージックを探究している。
M+A の陶酔的なエレクトロ・ポップは巧妙だが、賢さのためではない。Phoenix の Thomas Mars の温かみを聴いているような、Ducci の真面目で繊細なヴォーカルは、古典的なポップ・ソングに見られる甘く切ないエッジと Beck や Daft Punk の Random Access Memories のようなきちんと整ったレトロ・ダンス・ミュージックを組み合わせている。
遊び心溢れ、洗練されたイタリア出身ダンス・ポップデュオ、M+A のセカンドアルバム『These Days』は、途切れのないサビと、1度聴くとこのサウンドのない世界を想像出来ないと納得してしまう作品。終わりのない夏への憧れを完璧に蒸留している。
『These Days』の出だしから、ダンスフロアを満たす「When」の推し進めるビートとピチカートのストリングス、そしてシンコペーションのエレクトロ・ピアノによる豪華なフックと共に、一斉に加速する。全11曲42分のアルバム全体を通して、フックが効いている。「B Song」は90年代後期におけるBeckの白人によるレトロ・ファンクを連想させる。
「Down The West Side」は、夏の BBQ の BGM や雨降りの日々に別れるを告げる曲としてぴったりな太陽の日差しをいっぱい浴びたポップな仕上がり。その一方で「New York There」や「Game」、「Practical Friday」そして「Midnight Radio」は、Daft Punk や The Strokes、Phoenix といったアーティストによる80年代を彷彿とさせる最近の作品と結び付けられる。
今回の『These Days』によって、M+Aはより著名な同時代のアーティストたちの間における、自分たちの価値を効率的に証明している。